小学生のソーシャルスキルトレーニングに使える教材(無料&市販ゲーム)を一挙紹介

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公開日:  カテゴリー: SST

「ソーシャルスキルトレーニングにマンネリを感じる」

「小学生の参加者がトレーニングに飽きている」

毎日、知恵と工夫を凝らしてメニューを考えているのに、期待どおりの反応がかえってこないと頭を抱えたくもなるでしょう。とはいえ、きょうも子どもたちはやってきます。

「きょうこそ、あの子たちの目を輝かせたい!」

「『先生、いつもより面白いよ』と言われたい!」

そんな希望をもつ指導者に向けて、本記事ではソーシャルスキルトレーニング教材の開発を手掛けるRYD編集部が、小学生向けのソーシャルスキルトレーニングに活用できる教材の種類や可能なトレーニングの例を解説します。

最後まで読むと、通所する子どもたち一人ひとりをワクワクさせられる教材がきっとみつかります。記事を参考に、効果が期待できる教材を見つけてください。

1.小学生のソーシャルスキルトレーニングでは教材を使うべきか?

小学生に向けたソーシャルスキルトレーニングに、教材はかならずしも必要ありません。「ロールプレイ」「ディスカッション」など、教材がなくてもできるメニューもあるからです。

しかし、以下の場合に教材を取り入れると、「注意が散漫になりやすい小学生参加者の興味を喚起する」「小学生集団に対してトレーニングの効率が上がる」などの効果が期待できます。

  • ○参加者に共通する困りごとに対してトレーニングしたいとき
  • ○参加者がトレーニングに対してマンネリを感じているとき
  • ○「適切な言葉表現ができない」課題をサポートしたいとき

ただし、「教材にあわせた画一的な練習」にならないよう注意しましょう。教材を使う場合でも、ソーシャルスキルトレーニングの基本である「一人ひとりの特性に合わせる」点に配慮して進めます。

2.ソーシャルスキルトレーニングで利用できる教材の種類7つ

ソーシャルスキルトレーニングでは、目的に応じてさまざまな教材が使われます。実際は紹介した教材以外にも多くの種類がありますが、ここでは一般的によく使われる教材を7つ紹介します。

指導者が使いやすく、かつ小学生が興味をもってくれそうな教材を導入してみましょう。

2-1.本(ワークブック)

 

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ソーシャルスキルトレーニング用の本(ワークブック)は、小学生に多くみられる課題・特性に応じて多くの種類が発行されています。

「トレーニングに参加する子どもたちに合わせた1冊を選びやすい」「使い方が詳しく解説されていてわかりやすい」点で、はじめて教材を導入する指導者におすすめです。

本(ワークブック)は、席に着いた状態で個別に指導する場面に向いています。子どもたちも落ち着いた気持ちで取り組めるため、「対人関係」「社会のマナー」など苦手を感じやすいテーマでも客観的に向きあいます。

本(ワークブック)は、大きく3つのタイプにわかれます。

  • ○困難を感じやすい場面と解決策が書かれており、読んで学ぶもの
  • ○解決策を考え、書き込むもの
  • ○ボードゲームやカードなど、ほかの教材とセットになったもの

他者との関係構築に困難を感じやすい子どもや、感情の理解や表現に課題があるケースには、感情が豊かに描写された「絵本」も適しています。

2-2.ワークシート

発達障害専門プログラム ワークブック

ワークシートとはトレーニングの手順やポイントを明示しつつ、参加者が自分で考え、書き込むシートです。市販のワークシートのほか、インターネットからダウンロードして使えるシートもあります。

トレーニングに参加する小学生の特性にあわせて、指導者がワークシートを自作するケースもあります。

ワークシートを使うと、「課題に対する解決策を自分で考える力」を養成できます。考えた内容の発表を通じ、他者の意見に対する関心が高くなる子どもたちもいます。

昭和大学発達障害医療研究所が作成した「発達障害専門プログラム ワークブック」には、自閉症スペクトラム障害の人に向けたトレーニングプログラムが収録されています。「コミュニケーションの場面」「相手の気持ちを考える」など、さまざまに活かせるワークシートも含まれます。ぜひ参考にしてみてください。

参考:発達障害専門プログラム ワークブック|昭和大学発達障害医療研究所

2-3.カード


カードには「フラッシュカード」「場面カード(絵カード)」「感情カード」などがあります。困難を感じやすい場面や課題を細かく想定し、多くの種類が制作されているのもカードタイプ教材の特徴です。カードには、以下のような種類があります。

カードの種類

カードに描かれたイラストは課題の状況を瞬時に認知させます。小学生も自分たちの日頃のシーンと結び付けてイメージしやすく、トレーニングを自分ごととしてとらえ、主体的に参加してくれるようになります。

2-4.感情チップ


感情チップとは、小さなチップにさまざまな表情と感情の名前が書かれた教材です。「気持ちチップ」とも呼ばれます。決まった使い方はなく、アイディア次第でさまざまな用途に活用できる柔軟性が魅力です。

◎ 感情チップの活用例

  • ・表情のイラストを見て、どのような気持ちかを当てるゲームとして活用する
  • ・ロールプレイやディスカッションで、登場人物がどのような気持ちだったかをチップで表現する
  • ・お題を与え、その場面ではどのような気持ちになりそうか想像し、チップで答える
  • ・自分の気持ちを、チップを使って相手に伝える

 

2-5.市販のカードゲームやボードゲーム

※ 画像の教材は投稿者である放課後デイサービスの手作りであり、イメージです。

市販のカードゲームやボードゲームなどの中にも、SSTに活用できるものが数多くあります。

市販のゲームは娯楽を目的としてつくられているため、トレーニング感や勉強感、やらされている感覚がなく取り組める点がメリットです。小学生に人気のキャラクターを使ったゲームなら、参加者の興味を自然と惹きつけてくれます。

クリアする方法を仲間と考えたり、競争したりするプロセスを通じて、自然とコミュニケーションスキルや創意工夫する力が伸びると期待できます。

「もっとトレーニングに意欲的に参加してほしい」「目先の変わった教材を探している」などの要望をもつ指導者の方におすすめです。

以下の記事では、ソーシャルスキルトレーニングに活用できる市販のゲームを5つ紹介しています。あわせてご覧ください。

関連記事:飽きずに楽しめる!SST向けの教材を5つ紹介(無料ダウンロード&市販ゲーム)

2-6.アプリ

絵カードタイマー

(引用:絵カードタイマー|App Store )

小学生には、アプリを活用したソーシャルスキルトレーニングもおすすめです。アプリなら小学生でも一人でも取り組め、トレーニングのバリエーションも広げやすいためです。

ソーシャルスキルトレーニング専用に開発されたアプリもありますが、一般ユーザー向けのアプリを利用しても構いません。参加する子どもたちの特性を踏まえ、困難・課題の解決につながるアプリを選択しましょう。

はじめは指導者が使い方をサポートしてあげましょう。主旨に沿って一人で使えるようになったら、見守るスタイルに移行するとスムーズです。

関連記事:ソーシャルスキルトレーニングでおすすめのアプリ4選&導入の注意点とは

2-7.DVD・動画

ソーシャルスキルトレーニングに活用できるDVD教材も市販されています。

子どもたちと指導者が同じDVDを見ながら、「学校に行く途中のシーンだね。向こうから先生が来たようだよ」「この子(登場人物)は、この後どうするのがベストかな?」と、場面理解や適切な振る舞いを一緒に考えられるため、トレーニングに一体感が生まれやすくなります。

またYouTubeには実際のトレーニングシーンや注意点を解説した動画も、多数アップロードされています。実際の場面に即したリアルな動画は、日々のソーシャルスキルトレーニングに新しいアイディアやヒントを与えてくれるでしょう。

◎ YouTubeにあるSST動画の例

 

「学齢期のSST 2」|奈良教育大学版SST、中嶋映像教材出版

近年は、VR技術を使ったソーシャルスキルトレーニングにも注目が集まっています。VRの「まるでその場にいるかのような」臨場体験は子どもたちを没入させ、学んだ内容の般化に役立ちます。

記事の後半でソーシャルスキルトレーニング向けVR教材を紹介します。あわせてご覧ください。

関連記事:【遊びで学ぶ!】特別支援で使えるSSTのゲーム10選&SSTの活かし方

3.教材をつかってできるソーシャルスキルトレーニングの具体例

教材を取り入れると、マンネリ化していたソーシャルスキルトレーニングのバリエーションを広げられます。

ソーシャルスキルトレーニングでよく扱われるテーマ別に、教材導入により可能になるトレーニングの例を解説します。

3-1.気持ちを理解する/感情表現を学ぶ

 

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ソーシャルスキルトレーニングを必要とする子どもたちの中には、感情理解・感情表現に課題があるケースも少なくありません。

感情カードや場面カードは、「感情の種類を教える」「感情表現の仕方を伝える」などのトレーニングに役立ちます。感情に課題を抱える子どもたちが参加する日に、ぜひ取り入れてみてください。

◎ 教材を使った感情の理解・表現のトレーニング例

  • ・感情の種類を覚える(感情を表したイラストと、感情の名前を結びつける)
  • ・表情と感情のつながりを理解する(表情にあう感情の名前を選ぶ)
  • ・場面に応じた感情表現を理解する(場面カードにあう感情カードを組み合わせる

 

3-2.社会のルールを学ぶ

小学校をはじめとする集団や社会では、「並ぶ」「待つ」「静かにする」などルール・規範を守った行動が求められます。場面に応じた振る舞いをトレーニングしたい場合は、ワークシートがおすすめです。

ワークシートの利点は次の2つです。

  • ・物事を順序だてて考えられる
  • ・情報を細かく区切りながら考えられる

多くの情報を一度に処理するのが苦手な小学生には、ぜひワークシートに取り組ませてみてください。

「その場所ではどう振る舞うべきか」「その理由はなぜか」など、考えるべきテーマを細かく区切りながら取り組めるため、「いま考えるべきこと」に集中しやすくなります。

 3-3.一日の流れややることを把握する


教材は多くの情報を「見れば理解できる」「瞬時に把握できる」点に優れています。「一日の流れ」「きょうやること」など、情報の全体像を理解する必要があるトレーニングの場面でも、ぜひ取り入れてみましょう。

◎ 教材を使った「やることを把握する」取り組み例

  • ・「やることカード」をウォールポケットに入れておき、終わったら裏返す
  • ・「一日の流れ」を時計のイラストとともに明示する

一日の流れやタスクの明示は、先の予定が見通せないと不安になりやすい子どもにもおすすめです。

4.VRをソーシャルスキルトレーニングに活用する

.VRをソーシャルスキルトレーニングに活用

ワークシートやカードなど、アナログ教材を使ったソーシャルスキルトレーニングの導入を考える際、「指導者不足」が課題になる場合があります。

実際、多忙を極める放課後デイサービスの現場では、指導者不足のために新しい取り組みを始めにくいところもあるようです。

そこで注目されているのが、VR(Virtual Reality・仮想現実)技術によるソーシャルスキルトレーニングです。トレーニングの質向上と指導者不足の課題を一気に解決するツールとして期待を集めています。

なかでも日常生活でよく起こる150もの場面と対応が収録された「Realize VR」は、多くの放課後デイサービスへの導入実績を誇る教材です。

4-1.Realize VRの使い方

参加者はVRヘッドセットを使い仮想現実に入ります。小学生でも一人で取り組めるようにつくられているため、指導者がマンツーマンで指導できない状況でも問題なく使えます。

またVRで疑似体験した内容は、実体験に近いクオリティで参加者の経験に蓄積されていきます。ソーシャルスキルトレーニングから実生活への一般化も容易で、トレーニングの効果を実感しやすい点もメリットです。

4-2.Realize VRを導入した声

先にRealize VRを導入した放課後デイサービスからは、以下の声が寄せられています。

「VRを使って入試面接の疑似体験をしたお子さんが、リアルな練習の場でも上手にできて自信を持てるようになった」

「VRを使うと、トレーニング時間が違っても指導が均質化されて良い」

「指導者の質にかかわらず、高い品質のトレーニングが可能になる」

「VRを使いたいから、と通所回数が増える子どももいる」

小学生は、とりわけ目新しいものにすぐ注目します。毎日のトレーニングにマンネリを感じている放課後デイサービスにRealize VRを導入すれば、

「先生、何それ?」

「やってみたい!」

「すごく面白そう!」

きっと、現場が小学生たちの歓喜の声にあふれるでしょう。

「専門的な指導者がいない」「通う子どもが多く、十分に対応できない」などの悩みをもつ放課後デイサービスにも、Realize VRがおすすめです。

5.まとめ

VR技術を活用したSSTなら「Realize VR」

小学生のソーシャルスキルトレーニングに教材を導入すると、子どもたち一人ひとり異なる特性に細やかに合わせたトレーニングメニューを提供できるようになります。

教材のなかには特別支援教育のプロが作成したものもあり、新しいアイディアや課題の解決策、ヒントが手に入ることも期待できるでしょう。

一方で教材は、つくられた目的に合わせて正しく使ってこそ効果が期待できます。教材の導入には、教材の目的を理解し、ふさわしい活用法ができる指導者が欠かせません。また教材の準備や管理にも人手がかかることも考えられます。

もし「指導員をいますぐ確保するのは難しいが、新しい教材を導入してみたい」とお考えなら、まずはRealize VRを試してみてはいかがでしょうか。