④利用者が増えているってホント?なんでこんなに苦しいの?
公開日: カテゴリー: 放課後デイ
近年、障がいを持ち専門的な療養が必要とされている生徒・児童の数が増加しており、放課後等デイサービスの需要が増しています。需要に対応するため、国が法改正と規制緩和を行い、多数の企業が放課後等デイサービス事業に参入しています。
しかしながら、「需要の多い事業のはずなのに利益がでていない」、「想定よりも経営が楽ではない」等の運営に関しての悩みを多数お聞きします。
以下では「放課後等デイサービスの利用客は本当に増えているのか」という疑問から、「競争の激しい市場で利用客数を増やす方法」まで解説しています。放課後等デイサービスを取り巻く状況の確認を行い、安定的な経営に繋げましょう。
放課後等デイサービスの述べ利用者数は増加傾向に
上記であげましたが、専門的な療養が必要とされる児童・生徒の増加に伴い、放課後等デイサービスの利用者数は増加傾向にあります。
厚生労働省の「障害福祉サービス等の利用状況について」という統計資料をまとめると、放課後等デイサービスの述べ利用者数(月ごと、平均値)の推移は以下のグラフの様になっています。利用者数の推移だけ見ると、順調に増えているように見えますね。
しかし、利用者数の伸びを見るとどうでしょうか。実は、利用者の増え方は年々鈍化傾向になっているのが分かりますね。
事業所間の利用者の奪い合い
独立行政法人福祉医療機構の資料、「平成29年度 児童系障害福祉サービスの経営状況について」によれば、放課後等デイサービスの赤字施設割合は32.2%と、全体の利用者数が伸長しているにもかかわらず経営が上手くいっていない事業所が多数存在します。
この理由には「事業所数」が関係しています。
以前の記事でも取り上げましたが、放課後等デイサービスが始まった平成24年には2,540カ所しかなかった事業所が、令和元年には13,568事業所と約5倍まで増えました。
これらの数字を見れば、いかに放課後等デイサービスの事業所が増加したのかよく分かると思います。
事業所数が増え続けている理由は、「放課後等デイサービスが初期投資の少ない事業モデル」であるためです。 需要に対応すべく、国が法改正と規制緩和を行い、放課後等デイサービス事業は初期投資が少ない且つ投資回収の早い事業となりました。
そこに目をつけた企業が次々と参入し、事業所数が急増しました。 結果、事業所間で利用客の奪い合いが発生しています。放課後等デイサービス全体の利用者数が増えているにもかかわらず、経営の苦しい事業所が多数あるのはこのためです。
高品質なサービスの実現を
競争の激しい市場の中で生き残るには、利益の源である「施設の利用者数」を増やす必要があります。
そのためには「サービスの質を高めること」が必須です。
近年、国からの運営規定に関して、「人員配置の見直し」や「管理責任者の資格要件の見直し」等、サービスの質の向上に繋がるルールが設定されました。事業説明会への出席やスタッフとの事前面談の推奨等、独自の基準を設けた自治体もあります。
このように、近年では事業所を運営するにあたってサービスの高さを求められています。しかしながら、国からの運営規定をクリアしただけでは、利用者数の増加は見込めません。独自の取り組みが不可欠です。
とはいえ、何をしたら良いのかは考えどころ。
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