⑧人手不足の原因と対応策
公開日: カテゴリー: 放課後デイ
「人手が足りない」「人員配置基準を満たせなくて減算になってしまった」そんな声を知り合いの放課後等デイサービスのオーナー様からしばしば聞きます。
なぜ、放デイ業界はこのような人手不足の状況にあるのでしょうか。
また、どのようにしたら人手不足に対応できるのでしょうか。
今日はこれらの点についてお話したいと思います。
放課後等デイサービスの人手不足の原因
まず、放デイ自体が増え続けていることが挙げられます。
放デイに関する規制緩和がなされた平成24年時点と比べると、5倍以上になっているのが現状です。放デイには人員配置の基準があるため、放デイの増加に伴い職員の需要も増え続けているのです。
加えて、保育士が足りない、ということも原因の一つです。
保育士は人員配置基準に適合する人材であるうえ、場合によっては児童指導員等加配加算で理学療法士等と同等の加算を取れます。
そのため、保育士資格保有者は放デイの従業員を募集する際、中心的な募集対象になります。 しかし、保育士は現在かなりの売り手市場です。
こちらは、厚生労働省が調査した保育士の有効求人倍率のグラフです。
季節によって差はありますが、低い時期でも2倍程度、高い時期ですと4倍近くにまで上がっています。東京など一部の地域においては、時期によって5倍を超えることも少なくありません。
全職種の平均が1.5倍程度であることと比較しても、かなりの需要過多である状況といえます。
人手不足の対応策
では、このような状況下でどのようにして人手不足を解消すればよいのでしょうか。 まずは、既存の従業員が辞めないような職場環境を作ることが重要になってきます。
放デイ従業員が辞めたくなる理由は多々ありますが、大きく分けて以下の3つです。
①仕事の大変さ
発達障害を持っているお子様には何らかのこだわりがあったり、場合によっては、反抗挑戦性障害といって、周囲の大人に対して反抗的な態度を取ったり、無視をしたり、暴力的な態度を取ったりしてしまう子もいます。
そんな中、放デイ職員は利用者が気持ちよく過ごせるように心を砕いたり、怪我をしたりさせたりしないように注意しなければならないため、体力的にも精神的にも大変なお仕事です。
加えて、放デイ職員が対応しなくてはならないのは利用者様だけではありません。 保護者様対応もしなければなりません。専門的な知識が必要とされる相談を受けたり、ごく一部のことではありますが罵詈雑言を浴びせてくるクレーマー的な人もいたりします。
やりがいのある仕事ではありますが、責任も重く、難しい側面も多く、ストレスをためやすい職種であるといえます。
②人間関係
①のようなお仕事内容ですから、上司や同僚、アルバイトやパートとの連携が不可欠です。 そんな中「合わない」人がいると、一気にお仕事が辛くなります。
みんながみんな、お仕事と個人の気持ちを切り離して、仕事上では協力する姿勢を作れれば良いですが、そうすることが難しい人も多々います。
チームワークを発揮しないとやっていけない職場で、仲間外れになったり、嫌がらせをされてしまったり、仕事がしづらい状況になってしまうと「辞めたい」という思いにつながります。
③労働条件
福祉業界全体にいえることですが、大変なお仕事のわりに、給料が安い場合が多いです。 そのうえ、人手不足の環境で残業があったり、休日出勤があったり、有給が取りにくかったり、頑張りに見合った労働条件になっていない職場がしばしばございます。
比較的女性従業員が多い業界ですので、妊娠・出産を機に退職してしまったり、子育てや介護のために辞めてしまったりすることも少なくありません。
では、①~③に対応するために、事業所の経営者としてどんなことができるでしょうか。
1つは、従業員の本音を聞く機会を設けることです。
仕事内容で困っているのであれば相談に乗ってあげたり、解決のために一緒に悩みましょう。従業員はオーナー様が味方になってくれる、親身になってくれるというだけでも心強い思いを抱けます。
事業所全体としても、現場の方の意見を取り入れた環境づくりをすることで、利用者様の療育環境が向上するというメリットがあります。
人間関係もオーナー様が話を聞いて間に入ることで改善する場合があります。 なるべくシフトを被らないように調整したり、従業員相互の不満を聞き出し、それとなく注意したり、外部の研修などを勧めることで職場での適切な対応を従業員に学んでもらうなどの手法が考えられます。
もう一つとして、労働条件の改善が挙げられます。 給料を上げる、人手を補充して休みが作りやすい状況を作る、時短勤務や産休・育休・介護休暇を認める、などがあります。
事業所内でキャリアアップすることができるような仕組みを作り、将来的にお給料の増加が期待できる状況にすることも有効です。
良い労働条件とは
良い労働条件は、求人の際にも必須になります。 現状既に職員が足りない事業所の場合、新たに求人を出して募集をかける必要があります。 労働条件の中でとりわけ気になるのは給与。 では、一体いくらくらいであれば良いのでしょうか。
こちらは、政府が発表している賃金基本統計調査を基に作成した、ここ数年の保育士の平均給与額の推移です。
2019年時点で約360万円。この増加傾向は、待機児童解消加速化プランや子育て安心プラン、新子育て安心プランなど、待機児童解消に向けた政府の取り組みの影響も大きいため、今後も上がることが予想されます。
上記の図は全国の平均額ですので、地域の実態に応じた額を設定することが必要です。
具体的には、以下の表を参考に、それぞれの地域の保育士平均給与額を20~30万円程度上回るようにするか、求職サイトでそれぞれの地域における保育士の求人を比較して設定しましょう。
加えて、働き方も重要です。
勤務日数や勤務時間の融通が利くこと、パート・非常勤採用が可能であること等も過去に保育士として就業した者が再就業する際に重視しているポイントとなっています。
通勤時間に関しては、如何ともしがたいですが、これらの点に気を付けて求人をすることで、人手不足を解消できるかもしれません。
とはいうものの、そもそも事業所に十分な収入が無ければ、良い労働条件の提示はできません。
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