⑦報酬改定に対応するためには?

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公開日:  カテゴリー: 放課後デイ

放課後等デイサービスの収入は、その90%以上が給付費です。そのため、報酬改定は放デイの収支に直結してきます。

今日は、令和3年度の報酬改定でどのように変わったか、これからどのような経営をしていく必要があるのかについてご説明します。

放課後等デイサービスの報酬改定の内容について

令和3年度の報酬改定では、医療的ケア児を受け入れやすい報酬体制を作ったり、より手厚い支援を必要とする子どもたちに応じてきめ細かいサポートをするための加算(専門的支援加算)が算定されたりすることで、重症心身障害児が多く通う事業所はより報酬を得やすくなりました。

一方で、従業員要件が変更されて障害福祉サービス経験者が認められなくなったり、基本報酬が減らされていたり、児童指導員等配置加算が取れなくなってしまったりと、多くの事業所には非常に厳しい変更内容となっています。

例えば、児童発達支援管理責任者(管理者兼任)一名と常勤保育士二名、非常勤保育士が常勤換算一名分で、定員10名の事業所がどのように変化したか見てみましょう。

RYD

※厚生労働省“障害福祉サービス費等の報酬算定構造”

上の図の通り、同じ条件をキープしていても、報酬単位は39単位減少しました。 これは、月当たり、10万円以上の収入減、年間にして120万円程度の収入減※1です。

※1:定員10名満員の事業所で、地域単価10.9単位、月27日営業の場合。

放デイの収支差の平均値は令和2年度までですと、年間300万円~400万円程度の年が多いため、年間の利益が3割以上減ることとなります。

ただでさえ厳しい経営がさらに厳しくなるのです。

それを防ぐためには、医療機関と連携をし、医療連携体制加算を取ったり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などを雇い入れ、これまでの加算に加えて専門的支援加算を行ったり、個別サポート加算など、新たに整備された加算を積極的に取っていくことが必要です。

⑤黒字の事業所の戦略は?』の記事でも申し上げましたが、「加算を取ること」は事業所の黒字化に直結してくるからです。

しかし、その一方で、専門職の職員を雇うことは容易ではありません。 そもそも絶対数が少ない※2うえ、就業先のライバルに病院があるから※3です。

※2:理学療法士約12.5万人、作業療法士6.2万人、言語聴覚士3.5万人に対して、保育士は166万人(従事者数は60万人)と桁違いの人数です。
※3:専門職従事者は6割~7割強が病院に勤務しています。

今後どのような経営をしていくべきか

そんな中、これからの放デイの経営はどのように行っていけば良いのでしょうか。 道は3つあります。

加算を積極的に取得する

1つ目の道としては、医療連携体制加算を取れる体制を整備したり、専門職職員を採用して専門的支援加算を取ったりと、加算を積極的に取っていくこと。

そのためには、医療機関との連携のために、近隣の病院等とコンタクトを取って看護師の派遣を受けられる体制を作ったり、専門職職員が就職したくなるような好条件の求人※4を出したりすることが必要になってきます。

※4:好条件の求人といえるかついて、参考となるのはこちら

給付費に頼らない経営体制を作る

2つ目の道としては、いっそのこと給付費だけに頼らない経営体制を作ってしまうこと。

放デイ以外に、実費事業を導入し、放デイの報酬単位が多少変動しても大きな打撃を受けないようにリスク分散するのです。

その際可能であれば、全く異なる畑の事業ではなく、放デイ経営のご経験を活かせる事業がお勧めです。なぜならば、そのような事業であればお客様のニーズを察知しやすかったり、宣伝がしやすかったりするため、圧倒的にスタートダッシュがしやすいからです。

実費事業を導入する

3つ目の道としては、1つ目と2つ目の組み合わせ。実費事業を導入して、収益を上げたうえで、加算が取れる体制を作って行く道です。

赤字の事業所が3割もあり、かつ人手不足の放デイ業界ですから、「専門職職員を雇いたくても売上が少なくて中々好条件の求人が出せない」という事業所も多いかと思います。そんな事業所の場合、まずは赤字を解消していくことが必須になります。

現状の状態・既にいる職員で加算を積極的に取り赤字を解消できれば良いですが、既に目いっぱい加算を取り、人手をフル回転させている事業所でしたら、何らかのターニングポイントが必要になります。
そのターニングポイントとして、実費事業を導入するのです。

とはいうものの、
「どんな事業が放デイ経営の経験が活かせるのかわからない」
「多くのお金がかかってしまうと導入が難しい」
という方も多いはず。

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